本作は人生に悩む医者・佐倉陸と余命宣告された患者・成瀬翔が、人は何のために生き
何を残すのかという問いの答えを求めながら各地を巡るヒューマンドラマ。陸を妻夫木
聡、成瀬を渡辺謙が演じる。脚本を手がけたのは北川悦吏子。廣木隆一が監督を務め、
大友良英が音楽を担当した。

主演の妻夫木は「北川悦吏子さんとご一緒するのは約20年振りとなりました。そんなに
月日が経っていたとは全く想像もつかなかったのですが、終わってみたらこの作品で再
びご一緒するのは、どこか運命だったのではないかと思うくらい、僕にとって素晴らし
い出逢いとなりました」と述懐。「謙さんがいなければ僕は陸になることはできなかっ
たでしょう。役としてだけでなく、常に僕と向き合って一緒に闘ってくれた。オッサン
（成瀬）と一緒にいることが当たり前になっていた僕は、撮影が終わった今、心にポカ
ンと穴が空いたような状態です」と心境をつづる。

がん患者を演じるため7kgの減量をして撮影に臨んだ渡辺は「北川さんは難病と向き合
い、独特の死生観を持たれていた。彼女の感じてきた『生きること』『死に向かうこと
』それを演じてみたいと思った」「彼女流の軽いやりとりの向こうに浮きあがる“死”
 中々にハードルの高い作品だった」とコメント。北川は「この物語に、生と死に関し
てはっきりした結論があるのかどうかもわからない。答えなんてない中で、私たちは、
ただ、生き続けるのかもしれない。けれど、妻夫木聡くん、渡辺謙さん、廣木隆一監督
、得難い方々に集ってもらい、作品は、命を持つ生き物になった」と述べている。